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あつあつっ!ポテトーク あの人気のポテトの裏側は?ポテトのトレンドを牽引するプロが語る。

あつあつっ!ポテトーク あの人気のポテトの裏側は?ポテトのトレンドを牽引するプロが語る。

Vol.6シンプロット・ジャパン株式会社

よりよいポテト製品を作るために、
徹底して原料にこだわっています。

アイダホ州を拠点とする農業関連会社シンプロット社は、世界で初めて冷凍フライドボテトを開発した「ポテト王」と呼ばれるJ・R・シンプロット氏が創設した企業。ファストフードをはじめとした飲食店やスーパーなど、誰もが一度は口にしたことのある同社のフライドポテト製品のなりたちと、こだわりについてお話をうかがいます。

— シンプロット社は、世界初の冷凍フライドポテトを開発した企業だとか。

小川 もともとは、創設者のJ・R・シンプロットが14歳でポテトの栽培を始めたときに設立した会社で、第二次世界大戦中には、乾燥ポテトをアメリカ軍に供給していました。冷凍フライドポテトの開発に成功したのは1946年です。ちょうどアメリカにハンバーガーチェーンが広がり始めたころで、当時は店内で生のポテトを手作業で切って揚げていたそうです。その味と変わらない素材が冷凍で手に入れば、手軽にたくさん作れるということで一気に需要が広がっていきました。現在は、ポテト製品などを扱う食品部門のほか、肥料部門、飼料部門、家畜部門など、ポテトから派生した事業も幅広く展開しています。

シンプロット・ジャパン株式会社 代表取締役社長 小川雅英氏

シンプロット・ジャパン株式会社
代表取締役社長
小川雅英氏

— いまではフライドポテト業界のビッグ3の一社となっていますが、特に強みになっているのはどのような点でしょうか。

小川 シンプロット社は、その3社の中で唯一の同族会社です。ボードメンバーであるシンプロット家の人たちが、父親あるいは祖父である創始者の遺志を受け継いでいるので、原料に対するこだわりがとても強いんです。たとえば、味付けをしたフライドポテトを製造することになったときには、専門業者に加工を委託するのでなく、工場ごと買い取ってしまいます。そうすることで、取引先の意向に沿って微調整しやすくなりますし、細部にまで目が行き届きますから安心・安全が確保できるという考え方なんです。莫大な費用を投じてでも原料にこだわる点は、同族会社ならではだと思います。

— 世界中の取引先の中で、日本の要求度は高いと聞きますが。

小川 世界で一番高い品質を求めるのは日本だと思います。日本は文化的に五感で食を楽しむ習慣がありますよね。目で見て、香りを楽しみ、音を聞き、食感とともに口で味わい、最後に喉ごし、といった具合に。ですから、ポテトの色の白さや形状といった、見た目や匂いなど、細かい部分にも完璧さが求められます。けれども、そうした要求があるからこそ、こちらも試行錯誤しながら対応しますし、それがのちの仕事に生きてきますから、ありがたいことだと思っています。

— 製造過程で特に気を使っていることは?

小川 X線や選別機など、さまざまな機械を使って規格に合わないものは徹底的に省くシステムを導入していますし、工場内の安全対策も万全です。また、収穫した大量のポテトを運び入れるときにも独自の工夫をしています。普通はトラックの荷台を傾けて上から一気に落としますよね。でも、それだとポテトが傷ついてしまうので、荷台の下が開くトラックをわざわざ作って、なるべく静かに落ちるようにしているんです。

— そうしたこだわりの源になっているものは何ですか?

小川 シンプロット本社には「I'll never go back to raw」というキャッチフレーズがあります。日本語に直訳すると「生には戻らない」、つまり生のポテトをそのまま売る青果店にはならないという意味ですが、この言葉の真意は「いい原料だからこそ、一番いい状態を長く保てるように加工して、多くの人の食卓に届ける。それを社の目的にしよう」ということにあります。そうした創設者の想いを引き継いでいるわけです。「世界の人口が増え、食料危機が迫ったときに人々を救うのがポテトである」というのがJ・R・シンプロットの信条でした。そのことを同じように信じて熱心に語るシンプロット家の子孫がいることで、よりよいものを作るためには開発や研究に全力を注ぐことを惜しまなくなったのだと思います。

企業のルーツであるポテトという原料に対し、徹底したこだわりを持ち、そこから枝葉を広げた事業をダイナミックに展開するシンプロット社。スローガンを掲げるだけではなく、確実に実践していくフットワークの軽さで、今後ますますポテトの可能性を広げてくれることでしょう。

シンプロット・ジャパン株式会社

企業情報:
http://www.simplot.jp
取材こぼれ話

米国産ポテトの魅力とは?
アメリカ産のポテトは乾燥した土壌で栽培する灌漑農業なので、天候に左右されることなく安定した生産量が見込めます。また、フライドポテトに適した水分の少ない大振りな品種が育ちやすいというのも利点です。

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